病気や怪我をした時あなたは周りからこう言われませんでしたか?
「もっと食べないと良くならないよ。」
「たくさん食べて早く良くなってね。」
それらの言葉は完全に善意で言ってくれている言葉であることは間違いない。
でも果たしてたくさん食べること=体を回復させてくれるのか。
それを改めて考えるきっかけとなったのが、
ルイジ・コルナロルイジ・コルナロ(1468年〜1566年 享年102歳)
という方が記した「無病法」。
ルネサンスの爛熟期、16世紀半ばに健康・長寿を可能にする食生活のあり方を広めた貴族ルイジ・コルナロ。
世界的に長寿で知られるルイジ・コルナロが説く食生活の基本を習慣づければ病気とは無縁の生涯がおくれる・・・はず。
とくに現代における生活習慣病に対しては著しい効果を発揮しそうな内容。
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では紹介していくよ!
若かりし頃、暴飲暴食で死にかけたコルナロ
豊かなヴェネツィア共和国の貴族であった若かりし頃のコルナロは日々、貴族仲間と暴飲暴食を繰り返すエブリディ。
30代で様々な成人病、そして40代には生死の淵を彷徨うまでになっていた。(著書の中では35〜45歳まで体調が絶不調だったと述べている。)
そんなコルナロに転機が訪れる。
長年、彼を見ていた医師団からこう言われたのだ。
「量的に最小限まで減らした極小食に徹する以外、もはや助かる見込みはない。」
コルナロは助かりたい一心から言われた教えを守り、数日もしないうちに回復の兆しがみえ、しばらくすると完治した。
一年後には完全なる健康体になっていただけでなく、怒りっぽい性格も穏やかになっていた。
以来、コルナロは公私にわたって充実した人生をお送ることとなる。
- ヴェネツィア共和国の農業増産のために干拓事業を起こす
- 公的機関には財政面で支援
- 建築や水利に関する論文を発表
健康に生きるためにコルナロが意識的にやったこと
まず第一に、超少食。
コルナロの食事は以下を1日2度に分けて食べるといったもの。
パン、卵の黄身、少しの肉、スープ 総量約350g摂取 + ワイン400cc
(肉の場合と魚の場合があったそう。金ない人は全粒粉のパンと卵と野菜を少し食べればOKといっているよ。)
満腹感を覚えるまで食べたり飲んだりすることなく、食欲を少し残した状態で食卓を離れることを心がけていた・・・と言われている。
そして食以外では、徹底した極限状態や不自然の排除。
- 働きすぎ
- 異常な暑さや寒さ
- 悪い空気のところに長時間いる
- 人への憎悪や憂鬱など否定的な感情を抱かないように注意する
少食は心も安定すると断言するコルナロ
共和国の有力者から訴えられた際、コルナロは全く動じなかったという。
興味深いことに、通常の食事を続けていた家族は大いに悲しみ打ちひしがれ、実際そのストレスで病気になった家族は亡くなっているそう。
・・・という茶番は置いておいて、コルナロは食を律することで精神が安定し、むしろ困難を心身の強靭さを証明するための神の試練として捉え、最終的に自体は好転したとのこと。
馬車から落ちて死にかけても無事だったコルナロ(治癒力アップ?)
ある日馬車が転倒して、馬に引きずられたコルナロ。
全身打撲、頭部の強く打ち、足もうでも傷だらけになっていたため、医師から命は4日間ももつまい。と言われてしまう。
コルナロは医者からの治療を拒否し、「飽食ほど身体にダメージを与えるものはない。」といい自宅で養生を行い完治した。
栄養不足と注意してくれる友人や家族に従って食事量を少し増やしたコルナロ
栄養不足よ、もっと食べなさい!
と言われたコルナロはこう反論。
「自然な身体はごくわずかな量で満足するようにできている、事実わたしは健康で旺盛な活動をしている。高齢になればなるほど胃腸が弱くなるからです。」
でも無理やりに押し切られて、食事量を増やしたコルナロ。
元々の食事量は
パン、卵の黄身、少しの肉、スープを1日に約350g摂取 + ワイン400cc
だったけれど、
食べ物400g + ワイン450cc(合計で100gUP)
たったのこれだけだけれど、約10日程度で憂鬱になり、熱がでて腹痛が襲ってきて、元々の超極小食に戻して体調は元に戻ったそう。
ちーもが以前書いた水野南北先生の記事はこちら!
コルナロの食事「極小食」を現代科学の視点からもチェック
一応コルナロの場合、時代も古いので、現代医学で検証した場合どうなるかをいくつかピックアップしてみました。
活性酸素
どんなに栄養のあるものを食べても最近などの異物処理に使われる活性酸素が、余分に余った場合、細胞組織や遺伝子を傷つけてしまう。
とくに現代の場合、残留農薬や添加物も原因でさらに活性酸素が身体を内側から錆びさせるらしい。
「極小食」ではそういった活性酸素の発生が必要最低限になることから良いのではないか、とこの本では語られている。
腸内細菌叢(腸内フローラ)
人間の腸内には免疫細胞の約7割が集中しており、ホルモンやビタミン、酵素の産生、血圧や血糖の調整の橋渡しを細菌が行っているそう。
食べ物の栄養吸収を左右しているのも、この腸内細菌叢(腸内フローラ)に他ならない。
人間は自然本来の状態であれば、腸内の乳酸菌を介してビタミン類が作られるから大量にご飯を食べなくてもOKで、そして反対の場合は食べたものの栄養はまともに吸収できなくなる。
特に肉や砂糖の過剰摂取はアノイリナーゼ菌を増やし、ビタミンB1を破壊する。
つまり、腸内環境が整っていれば少食でも全く問題ないどころか、体に負担をかけずに効率的に栄養を取れるってことだね。
アメリカのウィスコンシン大学のアカゲザルの実験
1989年から20年もの時間をかけて行った実験で、世界的権威のある米科学雑誌である「サイエンス」にも紹介されたもの。
38匹のアカゲザルを2つのグループに分けて一方は飽食、一方は節食(30%のカロリーカット)でわけたところ、節食グループは若々しかったのにもかかわらず、飽食グループはひどく老けていた。
飽食グループはガンや糖尿病、脳移植や、心臓病が多かったにも関わらず、節食グループは自然死が多く、病死は約3分の1だったそう。
【まとめ】無病法でコルナロの言いたかったこと
コルナロはいいます。(↑は本人の絵)
「医者はまず患者に対して飽食をいましめ、節食の効果を説くべきだ。
との言葉を残しています。」
飽食が、暴飲暴食が万病の元であることをコルナロは訴えるとともにもう一つなんども繰り返して言っていることがあります。
それは、年をとる素晴らしさ、そして健康のありがたさです。
老化=嫌なイメージ
死=怖いイメージ
現代人のほとんどは若さに固執し、死をリアルに見ていないのではないでしょうか。
コルナロは死を恐れていませんでしたし、102歳で亡くなる時もベッドで眠るようにして旅立ったそうです。
僕たちは食べなくていいものを腹一杯食べて、飲まなくていいものをガバガバ飲みすぎているのかもしれません。
みなさんが、健康と食をもう一度食を見直すきっかけになったらいいな。
あと僕が以前紹介した【観相学】江戸時代の占い師、水野南北を紹介!【粗食こそ開運の元?】も通じるところがあってオススメです。
では、また!
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