日本人はお金持ちに対していいイメージを持っていないといいます。
金持ち=悪いやつ
幼い頃よりお金に対して罪悪感を刷り込まれることの多い日本人。
この本の読者に対して村上さんはいいます。
「お金は道具でしかない。」
「その道具で何ができるだろうとワクワクする気持ちを持ちながら付き合うために、お金のことをもっと理解し勉強し、早くからたくさん触れる必要があると」
「いま君に伝えたいお金の話」は投資家の村上 世彰(むらかみ よしあき)さんが、日本の子ども達に対して書いたお金の本です。
なので子供に語りかけるような口調、文調ではあるのですが、大人でもハッとしたり、「子どもの頃に聞きたかったよ」と思ってまう部分もありました。
というわけでざっくりまとめてみました。
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村上世彰さんのプロフィール
本の内容にも度々でてきますが、村上世彰のプロフィールを最初に紹介します。
1959年 大阪生まれで東京大学法学部卒業。
お父さんは日本国時代に台湾で生まれ、戦後に日本国籍を取得した投資家。
小学生の時に月々のお小遣い制度を廃止。
小学校から大学卒業までのお小遣いをまとめて小学生時代に一括100万円もらい、小学生ながら投資を開始。
投資で得たお金は大学生の時には1億円を超えていたそう。
ちなみに小学生の時から投資で積み上げてきたお金は40才まで手をつけず増やしていたとこの本に書かれていました。
お金とは何か?
お金の起源は諸説あるものの、もともと物々交換をした先祖たち。
Aさん「魚が食べたいな、豆と交換してくれないかな」
Bさん「魚があるけど、イノシシ肉と交換してくれないかな」
Cさん「イノシシの肉が取れたけど豆と交換してくれないかな」
そんな時にAさん、BさんとCさんをうまくつなぐ”道具”として発明されたよう。
古代中国では貝がらとかが使われたみたい。
そして、できたお金には以下の機能もありました。
- 何かと交換する
- 価値をはかる
- 貯める
▲時代と共に変化したお金
物々交換
↓
貝殻
↓
硬化と紙幣
↓
電子マネー&仮想通貨(現代)
村上さんはいいます「時代とともにお金は変化しましたが、お金が暮らしの道具であるという本質は変わりません。」
なんでお金に価値があるのか?
現在日本には硬貨と紙幣あわせて以下のお金があります。
- 1円
- 5円
- 10円
- 50円
- 100円
- 500円
- 1000円
- 2000円
- 5000円
- 10000円
1000円札の製造コストは約10.4円。
10000円札は1万円札が約25.5円。
なのに、日本国内のどこでも1000円、10000円とその価値を持つモノやサービスと交換できる。
それは日本の中央銀行である日本銀行が保証しているから。
経済評論家の三橋さん曰く、日本を親会社だとしたとき、日本銀行は子会社だそうです。
余談ですが、ジンバブエのように国に信用がなくなった場合、大量に溜め込んでいた紙幣が紙くずになることもあります。
2009年時点で100兆ジンバブエドルは日本円で約3万円の価値だったものが、ハイパーインフレが続いた結果、最終的0.3円になり、現在廃止されたようです。
お金の価値は変動する?
日本で使われる円の保証は日本銀行がしているので、日本国内でしか使えません。
なので、例えばアメリカで円を使う場合はドルと交換する必要がありますが、その時々の世界情勢や国の信用度や力関係で変わるため、為替レート(交換レート)が変わります。
要するに、今あなたの手元にあるお金は世界全部ひっくるめてみると価値が常に変動していて、今日手元にある1万円と、明日手元にある1万円の価値は同じではないということです。
株やFX(為替)をやっている人が、世界情勢を含めてニュースを徹底的にチェックしているのはその変動を知った上で買ったり、売ったりをしているからなんですね。
このお金の価値の変動をインフレーション、デフレーションといいます。
- インフレーション(インフレ)とは、お金の価値が下がること
- デフレーション(デフレ)とは、お金の価値が上がること
日本は今、長いインフレ状態と言われています。
そのインフレやデフレのことを調べていたら、僕も実体験として思い出したことがありました。
それは、昔よく買っていた週刊少年ジャンプの値段。
僕がよく買っていた1993年頃のジャンプは190円、現在は290円。
そして、ジャンプが創刊された当時はなんと90円。
引用元:週刊少年ジャンプの値段の推移
創刊時90円で売っていたものを、現在は290円と約3倍で売られているのはインフレでお金の価値が下がったからなんでしょうか。
お金は社会の血液
お金が回らないと社会は病気になってしまう、日本には血液となるお金がたくさんあるのにうまく巡っていないと村上さんはいいます。
2017年の時点で日本人が所有するお金は1800兆円。
日本の国家予算が100兆円なので国家予算の約18倍ものお金を日本人全体で所有しているそう。
なので、例えば日本中の生まれたての赤ちゃんから亡くなる直前の老人まで全員に1000万円配っても膨大なお釣りがくるほどお金を所有しているそう。
個人だけでなく、会社でも同じで、事業拡大や雇用に使える潤沢な資金を、ただの蓄えにしていることが日本のここ20年の景気の悪さの原因と村上氏はいいます。
日本人は財産をほとんど銀行に入れていますが、海外では銀行に貯金するより投資をすることが一般的。
■投資をすると
- 知恵と行動力はあるけど資金のないベンチャーを含む企業が育つ
- 新しい事業が広がればお金を得られる
- そして結果的に結果的に社会貢献ができる
そうなんです。
引っかかったのは本のこの部分↓
企業や個人がお金を使わないことで、国はお金が足りず赤字の国債という名の借金を1000兆円以上もしている。
この言い方だと、国民一人当たり〇〇万円の借金があるとまでは言ってないものの誤解を与えそうと思いました。
詳しくはこの動画をみてみてください。
この部分だけはね、子ども達に対して誤解を与える内容を教えないで欲しいと思うんだよね。
ただ僕もこの辺り自分で掘り下げていないので、三橋さんの本、そして三橋アンチの本をどちらも読んでから判断すべきことだとは思います。
村上さんがいいたかったこと
この本は子どもたちに向けて書かれているので、具体的な「稼ぐ方法」とか「株式の仕組みの詳細」は書かれていません。
こんな一言も書かれてます。
「お金を増やすことに近道はないし、魔法もない。」
村上さんは何度も表現を変え、子ども達に対して以下を伝えてます。
- お金は悪ではなく常に中立である
- お金は大切だけど、お金は手段であり”道具”なので支配されてはいけない
- 近くのスーパーの野菜や魚の値段に対して”なぜ?”を抱くこと
- お金という血液が日本をまわりはじめることで「よりしなやなかで、誰にでもセーフティネットのある元気な日本」になる
投資のための種銭(たねせん)を作るにはやはり収入からまず捻出することを勧めていました。
- 給料の7割で生活、1割を趣味や楽しみに使う、そして2割は貯金
- 貯金で溜まったお金を投資に使う
- 借金とは”必ず返済しなくてはいけないもの”なのでできるだけするな
借金に関しては、現在日本の大学奨学金返済で破産する件数などを具体的にあげていました、結構深刻な問題だよね。
僕が引っかかった国債の部分以外は、とてもわかりやすかったし、僕が子どもの時に読めたらよかったなって思いました。
村上さんは現在、N高で子ども達に経済や投資を教えており、子どもに実際の投資を経験してもらい、出た利益は寄付したりしてるそうです。(裏やま・・)
僕が今中3だったら絶対N高入るのに・・・ 笑
では、また!
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