人生の悩みとは人間関係に起因するものである。
アドラーはかつてこう言いました。
家族
会社
友人
恋人
僕も含め人は生きる上で様々なコミュニティーに属しており、人との関わりなしではいきていけません。
今回はアドラー心理学を対話形式でまとめた「嫌われる勇気」の要点をざっくりとまとめてみました。
アドラー心理学とは
アルフレッド・アドラーは1870年にオーストリアで生まれた精神科医であり、心理学者、社会学者。
フロイトやユングと並んで心理学の三大巨頭と呼ばれているそう。
それぞれが異なる見解をもつ心理学の世界において、アドラーはフロイトが提唱したトラウマを否定しています。
それに対してアドラーは言います。
「トラウマなどはない、すべては目的論である」
学歴が低いからあの会社で働けない。
幼い頃、両親の仲が悪かったから幸せな家庭が築けない。
本の中でアドラー心理学を教える哲人は「引きこもりの子ども」のことをこう言っています。
部屋からでないことで親や、先生から注目を浴びるという目的がある。
部屋からでてしまうことで「その他大勢になること」を恐れている。
アドラー心理学「嫌われる勇気」の8個の軸
この本で紹介されている「嫌われる勇気」の軸となる部分をざっくり解説してみたいと思います。
課題の分離
自分の課題とは愛すること、信じること。
そして、ここが大切なのだけれど、自分の愛や信じていることに対して他者がどう思うのか、動くのかは他者の課題。
これはアドラーが愛のタスクとも呼んでいて
相手が自分の思い通りに動いてくれなくても、信頼し愛するのは自分の課題であり、相手の課題に介入しすぎると苦しくなると言っています。
「ここまでは自分の課題、ここから先は他者の課題」といった具合に、課題の分離をすることが大切です。
共同体感覚
アドラーは言います。
「すべての悩みは対人関係である」と。つまり、
不幸の源泉が人間関係なら、幸福の源泉もまた人間関係であるということにもなります。
それは、家庭、職場、友人関係だけに止まらず国家、種族、未来や過去、動物や植物に置いても含まれる宇宙全体の共同感覚であるとアドラーは言います。
横の関係
これは「相手が誰であろうと立場の上下」を設けないということです。
引きこもりの子どもであろうと、年老いた親であろうと、”一人の人間として、一つの存在として接する”。
ここで重要な部分があり、ハッとしたのですが、
相手を褒めてはいけない、ということ。
「よくやった!」
「この調子でがんばれ!」
的な発言は能力が優れている(と思っている)側からの言動であって、それがあることで上下関係が無意識に刷り込まれて縦の関係になるそう。
他人の人生を生きるか、自分の人生を生きるか・・・。
どう考えても自分の人生ですよね。
勇気づけ
これも横の関係と重なる部分があるんですが、アドラーは他人を褒めるなど、評価することなく感謝の意を伝えることを「勇気づけ」と呼んでいます。
人は感謝されることで「他人に貢献できた」と感じそれが生きる意味にもなる。
自己肯定ではなく自己需要
自己肯定とは「私はできる(強い)」といった一見ポジティブに思える思考だけれど、優越コンプレックスに近いものがあり、自分に嘘をつく行為だとアドラーは言っています。
じゃあ、自己需要はなんなのか?
それは「私はできない(弱い)、でもそのできない(弱い)自分であってもいい。」と自分を受け入れること。
受け入れるってことは負けることじゃなくて、むしろそこから始まることの方が多いと僕も感じます。
諦めとは、「明らかにみる」といった意味があり、変えられるものと、変えられないものの区別をして、変えられるものに注目すべきととアドラーは言っています。
他者信頼、他者貢献
他者を信用ではなく、信頼し、他者に貢献すべし。
では、信用と信頼は何が違うのだろうか。
- 信用・・・担保の価値に対して貸し出すものを算出する
- 信頼・・・信じるにあたって、条件付けをしない
つまり、見返りを求めずに相手を信頼する。
幸せとは貢献感、そして相手が幸せを感じるかどうかは相手の課題ともいっています。
普通でいることでいることは劣っていることではない
誰しもが普通ではなく「特別」でありたいと思います。
でもアドラーは普通でかまわない、むしろ普通とは「わざわざ優越性を示す必要のない状態」であるとアドラーは言っています。
子どもは親に対してよく思われようと、「特別な存在」になろうとするそうです。
それゆえに、スポーツに勉強に頑張りますが、挫折を味わった時に「特別な存在になれない」と気付きます。
「特別に良くなれないと気づいた」子どもは、今度は「特別に悪くあろう」とするそうです。
ちなみに、そう言った悪い方向で特別になろうとすることを「安直な優越性の追求」とアドラーは言っています。
人生は「今、ここ」の刹那の連続
この部分は禅と通じるところがある。
人間は過去に起きたことや、未来のこれから起こるであろうことを思い悩みます。
でも本当は過去や未来は、「この瞬間」には存在しません。
人生とは「今、ここ」の積み重ねであり、刹那の連続であるとアドラーは言っています。
【まとめ】アドラー心理学「嫌われる勇気」
アドラーが言いたかったことを僕なりにかんたん要約すると、
「人の目を気にすることなく、見返りを求めずに人に与え、貢献すべし。その貢献することそのものが、自分の人生の幸せである。」
です。(めっちゃ簡単に言いました。)
ここで大切なのは「見返りを求めず」というところ。
相手が幸せを感じるか、あなたにもらったモノを返そうとするかどうかは相手の課題。
ちなみに”見返りを求めない”に関しては僕の過去記事もどうぞ、読んでみてください。↓
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【人間関係】返報性の法則の恐ろしいデメリットを実体験から解説
今回は、僕が特に心に残った部分を紹介させていただきました。
本の中にはたくさんの「なるほど!」な対話内容がギッシリと詰まっているので、一度読んでみてはいかがでしょうか。
あと、ちょっと上記でも触れましたが、このブログでは何度も何度も紹介しているエックハルト・トール。
彼は宗教じみたこともいうし、彼の名著「ニューアース」は聖書から名付けられたものであるけれど、世界の本質をすべて書いていると言っても過言ではなく、僕は何度も読んでいますし、本当にオススメです。
売れているから・・・ではないですが、名著だと思います。
いつかアドラー関連の別な本もチャレンジしてみよう。
では、また!
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